|
須磨ヨットクラブのご紹介
まず始めに、須磨ヨットクラブのホームポートであります神戸市立須磨ヨットハーバーの歴史を振り返ります。
須磨ヨットハーバーの発祥は、現在の北港(北ハーバー)であり、妙法寺川尻の須磨海浜公園の一部を掘削し、昭和35年(1960年)供用が開始されました。
供用開始直後は24隻の常置使用しかなく、施設は閑散としていたもようです。
その後は利用者が増加し、昭和51年(1976年)には、ヨット、パワーボート合わせて203隻の常置使用となりました。
この時点で北港は満杯の状態になり、なお200隻に上る利用希望者が待機の状況であることから、神戸市は希望者の強い期待に応えるため、須磨港整備計画の一環として新ヨットハーバー(南港)を建設、北港の改修工事も併せて施工し、昭和53年(1978年)7月1日、新生須磨ヨットハーバーとして開港し、全施設の供用が開始されました。
須磨ヨットクラブの発足
昭和53年の南港(南ハーバー)開港を機に、ハーバー利用の利便性を高めるための、利用者の意見を代表する組織として須磨ヨットクラブが発足しました。
発足直後は、会員の意見や希望の集約に相当の労力を要する場面が多くありましたが、論議の根底には、須磨ヨットクラブの組織の充実や、円滑なクラブ運営、更にヨットハーバー(神戸市並びに管理運営会社)との友好関係の維持発展、これらに対する会員の大きな期待があったことに相違ありません。
特に、当時の役員や、運営に携わられた皆さんの公私にわたるご尽力を得て、須磨ヨットクラブの基礎が確立できたことを再確認し、これらの皆さんへの感謝の念を強く感じる次第です。
シアトルヨットクラブとの交際
須磨ヨットクラブの活動内容は、ホームページでご紹介の通り各委員会により年間を通じて各種の行事が開催されますが、ここで、永年にわたり須磨ヨットクラブとシアトルヨットクラブの間で開催されています交換行事『宝船レガッタ』についてご紹介しましょう。
シアトルヨットクラブは、アメリカ北西部ワシントン州シアトル市に1892年に設立されたアメリカ西海岸きっての名門ヨットクラブです。
須磨ヨットクラブ設立翌年の昭和54年(1979年)、須磨ヨットクラブ初代会長秋田博正さんが、シアトルヨットクラブを訪問、両クラブの交際をご提案されたことが契機です。
続いて翌昭和55年(1980年)再度シアトルヨットクラブを訪問し、先方のジョンソン会長との間で、姉妹クラブ(現在正確には、Guest & Moorage Reciprocal Club:相互訪問と相互停泊を合意のクラブ)の提携が合意されました。
須磨ヨットクラブから"宝船トロフイー"を寄贈、昭和56年(1981年)シアトルヨットクラブから"シアトルヨットクラブ銀杯"が返贈されました。
両クラブの交際を具体的なものとするため、両クラブによるヨットレースの開催が計画され、昭和57年(1982年)シアトルヨットクラブを舞台に、"宝船トロフイー"争奪の第1回宝船レガッタが開催されました。
以後、偶数回は須磨ヨットクラブを舞台に、宝船レガッタが継続しています。
最新の宝船レガッタは、2008年に第11回宝船レガッタがシアトルで開催されました。
約35年にわたる交際を通じて、両クラブ双方の先方に対する信頼感の樹立、両クラブ個人レベルの交際の広がりなど、国内ヨットクラブであまり例がないと思われる、須磨ヨットクラブならではの民間国際親善プログラムです。
須磨ヨットクラブの現状
年間の活動は、海上行事では何よりも安全を優先し、事故のないことをを目標として主催委員会が取組んでいます。又、神戸まつりヨットレース前夜祭やクリスマスパーテイーなどの陸上行事では、会員の家族や友人などが気軽に参加できて、楽しんでいただけることを念頭に計画を立てています。
主催委員会や協力いただく会員の皆さんの創意工夫により、それぞれの行事は参加者の評価をいただいているところでありますが、須磨ヨットクラブが直面している課題は、会員数の減少という現実です。
ちなみに、近年の会員数の変化は、1997年(平成9年)約270名、2012年(平成24年)約190名。
ただし、須磨ヨットクラブの会員が減少しているということだけではなく、須磨ヨットハーバーの利用者も減少しているのです。
このことの原因としては、まず、近年、市民としての私たちが余暇を生かす趣味の対象として考慮する選択肢が大きく広がったことが考えられます。特に若年層において、海洋性スポーツに評価が寄せられないように考えられます。
更に、1990年代はじめからの、特に近畿、中でも兵庫県下に顕著な景気低迷、1995年の阪神・淡路大震災により地域経済が蒙った経済打撃を背景に、決して経済的負担が小さくないヨットハーバー利用からの撤退などがあるものと考えられます。
こういった環境にあって、須磨ヨットクラブでは、活動・行事の質の向上は当然ながら、従来にない行事の新設や、広報の充実、新入会員の入会金規定緩和などクラブ全体の活性化に向けて真剣に取組んでいます。
以上、簡単ではありますが須磨ヨットクラブのご紹介をいたしました。
現在の会員の皆さんには、ヨットハーバーで過ごす時間を今まで以上に楽しんでいただきたいと思いますし、須磨ヨットクラブの存在をお知りになった皆さんには、一度須磨ヨットクラブを訪ねていただきたいと念願する次第です。
|